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資生堂社長に魚谷氏が昇格 「本社と現場の連動大切」

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資生堂社長に魚谷氏が昇格 「本社と現場の連動大切」

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 資生堂は24日、4月1日付で前田新造会長兼社長(66)が社長を退任し、マーケティング部門の魚谷雅彦統括顧問(59)が新社長に昇格する人事を発表した。前田氏は4月1日付で会長となった後、6月下旬の株主総会後に会長も退任し相談役に就任する。

 前田氏は、健康上の理由で今年3月に退任した末川久幸前社長(54)の後を受け、社長に復帰した。再登板当初から「早期に後継を選出し、次代に引き継ぐ」ことを掲げていたが、同社では事実上初となる外部からの登用という形で実現することとなった。

 前田氏は「成長を阻害する経営課題を解決し、成長軌道に乗る道筋を示せる段階まで来た」と説明。これを受けて、後任選びを夏の終わりから本格的に開始。役員指名諮問委員会の特別部会で議論を続け、11月下旬に魚谷氏へ打診した。今月中旬に魚谷氏への後継指名を決め、24日の取締役会で全会一致で決定した。

 前田氏は、魚谷氏が日本コカ・コーラで10年間、社長、会長として指揮をとった経験を挙げて、「資生堂をグローバル企業にするための突破力をもち、社内のベクトルを合わせるトップとして、携わってもらうのがベストな選択と考えた」と選任理由を説明した。

 魚谷氏は「資生堂にはブランドや文化的な要素、研究開発力、サプライチェーンの力などがある」と指摘。その上で、その力や価値を「本社と現場が連動し市場で伝えていくことが大事。本社と現場の距離が少し遠くなっているが、会社全体が顧客の方を向き仕事ができれば、パワフルなマーケティング力が発揮できる」と抱負を述べた。

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