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アベノミクス効果?美意識は口元にも リップなど高単価商品が好調

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アベノミクス効果?美意識は口元にも リップなど高単価商品が好調

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コーセーの高付加価値ライン「コスメデコルテ」では6000円以上の赤系口紅が特に人気だ=東京都中央区の松屋銀座  口紅や歯みがき粉など口元の美容に関する市場が活況だ。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による景気浮揚感の後押しもあり、美意識は口元まで波及。瞳を大きく見せるためのマスカラやアイライナーなど目元メークへの関心が一巡したこともあり、唇を美しく見せるリップや歯を白くするホワイトニング(着色汚れ落とし)成分配合の高機能歯みがき粉が好調な売れ行きを見せている。

 「口紅は前年比で2桁増で売れています。特に赤系の色は品切れが出るほど」

 都内百貨店の化粧品売り場の担当者はこう語る。実際、経済産業省の今年度上期(4~9月)の化学工業統計によると、化粧品目別の増減率ではファンデーション(前年同期比3.0%増)やアイメークアップ(6.5%減)に比べ、口紅(12.1%増)やリップクリーム(25.5%増)など唇向けの化粧品は大幅な伸びを示している。

 その牽引(けんいん)役となっているのが、今年流行の「赤系」の口紅だ。昨年あたりから目元は控えめにして頬や口元に赤みを持たせたメークが人気となり、化粧品各社も赤系の口紅の新商品を相次いで投入。

 資生堂のグローバルブランドの赤い口紅は8月の発売以来、計画比で2桁増の売れ行きを見せている。コーセーの高付加価値ブランド「コスメデコルテ」では、平均単価約2倍の1本6300円の口紅が売れ筋だ。「赤系の新色は売り切れになるものもある。近年にない売れ行き」(コーセー)という。

 その勢いは唇だけには止まらない。口元の美容意識の高まりを受け、歯周病や口臭対策、歯の美白のため機能を強化した高単価歯みがき粉が人気を集めている。

 ライオンの調べによると、今年1~10月の歯みがき粉市場では、250円未満の低価格帯が前年同期比で5%減少する一方で、500円以上は7%、1000円以上は17%それぞれ増加。その中でもホワイトニング成分を配合した「美白」カテゴリーは19%増と特に好調だ。同社は「安さより“効果”を求める女性を中心に需要が伸びている」と分析する。

 そうした女性の歯への美意識を切り口にした新商品も発売されている。グラクソ・スミスクラインが昨年8月に投入した「シュミテクトPROエナメル」の新商品は、「化粧箱」をイメージしたパッケージのホワイトニング歯みがき粉。700円と高単価だが、同シリーズ全体の販売数は昨年比で2桁増のペースで伸び続けている。

 市場ではサンギのアパガードロイヤル(135グラム、3150円)のような超高価格帯の歯みがき粉も登場。歯への美意識はますます高まっており、各社の機能性を訴求した高単価商品の販売競争はさらに熱を帯びそうだ。

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