口紅や歯みがき粉など口元の美容に関する市場が活況だ。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による景気浮揚感の後押しもあり、美意識は口元まで波及。瞳を大きく見せるためのマスカラやアイライナーなど目元メークへの関心が一巡したこともあり、唇を美しく見せるリップや歯を白くするホワイトニング(着色汚れ落とし)成分配合の高機能歯みがき粉が好調な売れ行きを見せている。
「口紅は前年比で2桁増で売れています。特に赤系の色は品切れが出るほど」
都内百貨店の化粧品売り場の担当者はこう語る。実際、経済産業省の今年度上期(4~9月)の化学工業統計によると、化粧品目別の増減率ではファンデーション(前年同期比3.0%増)やアイメークアップ(6.5%減)に比べ、口紅(12.1%増)やリップクリーム(25.5%増)など唇向けの化粧品は大幅な伸びを示している。
その牽引(けんいん)役となっているのが、今年流行の「赤系」の口紅だ。昨年あたりから目元は控えめにして頬や口元に赤みを持たせたメークが人気となり、化粧品各社も赤系の口紅の新商品を相次いで投入。