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京セラの人工宝石に引き合い殺到 レクサスなどに採用、高級志向復活

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京セラの人工宝石に引き合い殺到 レクサスなどに採用、高級志向復活

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 京セラ創業者、稲盛和夫名誉会長の肝いりで作られ「イナモリストーン」と呼ばれる同社の人工宝石が、アベノミクスによる景気回復を背景に引き合いが強まっている。楽器や国産高級車内の時計の装飾にも採用され、高額消費の勢いを映し出している。     

 トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」。セダンタイプ「IS」には、京セラの人工オパールをアナログ時計の文字盤にちりばめた特別装備が今年5月に登場した。価格は10万円アップ。

 反射によって輝く淡いブルーが高級志向のドライバーを魅了している。10月からは楽器大手のヤマハが「質感が向上し、より楽器を持つ喜びが感じられる」として、限定モデルのフルートの装飾に採用。長野県の楽器メーカー、フジゲンのウクレレなどにも使われている。

 このほか、書道用具メーカー呉竹(奈良市)の筆ペンの軸や歌舞伎座(東京都中央区)のオリジナルグッズの虫めがねと、はしでも使われている。

 稲盛氏が昭和40年代に米ニューヨークで宝石を見ていたところ、天然宝石というだけで高価なことに疑問を抱き、「宝石は美しさが魅力。人工でも天然と同等の美しさが出せる」との思いから事業化させた人工宝石。天然に比べれば価格は、エメラルドなら10分の1程度と割安感があり、本格回復の途上にある消費の動きをうまく捉えている。

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