今年は、国内で新規上場した企業数がリーマン・ショック後の2009年以来7年ぶりに減少し、前年実績より12社少ない86社となった。7月のLINE(ライン)や10月のJR九州といった大型案件もあったが、年初の株価急落や6月の英国の欧州連合(EU)離脱決定などで株式市場が波乱含みとなったのに加え、取引所などの上場審査が厳しくなったことが下押し圧力となった。成長企業を数多く資本市場に送り込むことは日本経済の活性化に不可欠で、当事者の不断の取り組みが求められている。
国内の新規上場は、リーマン・ショックに端を発した世界的不況が直撃して09年に19社まで低迷したが、その後は回復の流れが続いた。今年も年初の時点では100社程度が期待できるとの声が多かったが、86社にとどまった。それでも、前々年(14年)実績の80社を上回っているとして、東京証券取引所の永田秀俊上場推進部課長は「高水準の新規上場が実現する環境は続いている」と強調する。
86社を取引所ごとに分けると、東証が84社、名古屋証券取引所が2社。東証の84社の内訳は、東証1部と東証2部は計13社で、新興企業向けのマザーズとジャスダックが54社と14社、機関投資家など向けのプロマーケットが3社だった。