26日召集の臨時国会に政府が提出した平成28年度第2次補正予算案は、弱含む景気を下支えしデフレ脱却につなげる狙いだ。ただ、財源を補ったのは4年ぶりに増発した国債。日銀は金融緩和の枠組みを修正したが、国債を低金利で発行しやすい環境は続く。3次補正予算の可能性もくすぶる中、財政規律の緩みにつながる恐れがある。
「内需を力強く下支えする。アベノミクスを一層加速し、デフレからの脱出速度を引き上げていく」
安倍晋三首相は26日の所信表明演説で、総額28兆1千億円の経済対策に意欲をみせた。2次補正は、それを裏付ける第1弾の予算となる。
4~6月期の国内総生産(GDP)は2四半期連続のプラスとなったものの、個人消費は力強さを欠いている。2次補正は低所得者への現金給付や、農産物輸出のインフラ整備、震災復興や防災関連の公共事業などを盛り込んだ。
SMBC日興証券の宮前耕也氏は28年度のGDPを0・4%押し上げると試算する。