週明け26日の東京債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが低下し、終値は前週末より0.010%低いマイナス0.065%だった。低下は2営業日連続。日銀は長期金利が「0%程度」で推移するよう誘導すると決めたが、市場では日銀が長期金利の低下をどこまで許容するのか見通しづらいとの声も多く、適正水準を探る動きが続きそうだ。
「今の日々の動きが、長期金利のコントローラビリティー(操作可能性)に疑いが出ているということではない」。日銀の黒田東彦総裁は26日、大阪市内での記者会見でこう語った。
日銀は同日、金融政策の新たな枠組みを決めて以降、初となる国債買い入れを実施。買い入れ規模の減額などがなかったことから投資家の間に買い安心感が出て、長期金利の低下につながった面もあった。
長期金利の見通しについて、SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは「年内はマイナス0.1~0%で推移するのではないか。プラスをつけたとしても瞬間的だろう」との見方を示した。今後は財務省が実施する10年債入札や日銀の国債買い入れなどを経ながら、適正水準を見極める展開となりそうだ。