反論にならぬ反論
だが、予想はついたものの、このバイデン発言に対する日本国内の事実を認めたがらない「護憲派」の反応は実に陳腐だった。
「米国が書いたというのは、副大統領としてはかなり不適切な発言だ」
民進党の岡田克也代表は8月18日の記者会見で早速、こう批判していた。ただ、岡田氏は同時に「もちろんGHQが中心になって草案を作り…」と認めているのである。
ならば何が気にくわないのか。岡田氏は「最終的には、国会でも議論して作った」と指摘し、次のように結論付けた。
「草案を書いたかどうかというよりは、それが日本国憲法になったプロセス、その後70年間、国民が育んできた事実の方がずっと重要なことだ」
バイデン発言を不適切と言いつつ、事実関係は否定できずに、論点をすり替えている。とりあえず文句をつけてみたというだけでは、反論になっていない。