岸田文雄外相は9日午前、中国の程永華駐日大使を外務省に呼び出し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で中国海警局などの公船が領海侵入を繰り返していることに対して強く抗議した。中国公船が漁船とともに尖閣周辺の領海に侵入した5日以降、日本政府の閣僚が中国側に直接抗議するのは初めて。
岸田氏は、外務省の杉山晋輔事務次官らが再三抗議したことを踏まえ、「度重なる抗議にもかかわらず、多数の公船派遣や領海侵入などわが国の主権を侵害し、一方的に現場の緊張を高める行動は断じて受け入れられない」と中国公船を撤収させるよう求めた。また、6月に中国海軍艦が尖閣周辺の接続水域に入り込んだことなどを念頭に「中国側は一方的に現状を変更しようとしている。これにより日中関係をめぐる状況は著しく悪化している」と批判した。