平成29年度予算の各省庁の概算要求が固まり、一般会計の総額が101兆円台となる見通しであることが25日、分かった。社会保障などの経費が膨らむことで、要求額は3年連続で100兆円を超える。ただ、日銀の大規模金融緩和に伴う低金利で借金の返済に充てる国債費が圧縮され、過去最大だった28年度要求(102兆4千億円)からは1兆円前後減る。
要求額は28年度当初予算(96兆7218億円)より5兆円程度多い。財務省は各省庁の要求を今月31日に締め切り、年末にかけての査定で数兆円を削る。世界経済の停滞や円高で企業収益が伸び悩み、税収の頭打ちが懸念される中、財務省と各省庁との綱引きは例年以上に激しくなりそうだ。
要求額のうち、政策経費は28年度当初より4兆円程度多い77兆円前後。中でも社会保障費は高齢化で28年度当初から約6400億円増え、31兆円超となる。
政策経費とは別に必要な国債費のうち、利払い費の要求は10兆1465億円、元本償還費が14兆4349億円。算出の根拠となる金利を要求段階で過去最低の年1・6%に下げるため、28年度要求額より約1兆4千億円減る。ただ国債発行残高が膨らんだことで、28年度当初に比べると約1兆円増える。