新型「NSX」の開発責任者を務めた本田技術研究所米国法人のテッド・クラウス氏に聞いた。
--ホンダにとって2000万円以上のスポーツ車の存在意義は
「まず次世代技術に挑戦し、次世代のリーダーを育成するチャンスになることだ。2点目は特別な顧客につながりを持てること。最後に社外の期待に応えることだ。ブランドの(価値を上げる)ターボチャージャーと言ってもいい。『ホンダを知っている』と聞けば、『NSXがあるでしょう。知っている』となる」
--競合車と比べて価値をどこに置いている
「人に自然な形でフィットすることだ。軽量で高い剛性のボディーにしたので、運転に直接的に反応することができる。自分が思っていることがクルマに瞬時に伝わる」
--米国で生産する
「世界規模で最新鋭のノウハウを広げていきたいと考え、挑戦した。北米は販売の50%を占める。スポーツ車市場を取り巻く環境は、米国では団塊の世代が退職して人生を楽しみたいと思っている、中国など成長市場は新規の若い消費者が存在する。近い将来までは徐々に伸びが続いていくと思う」(会田聡)