また、安倍晋三首相が繰り返し強調しているように、最終的に憲法を改正するかどうかを決めるのは国会ではなく、国民自身による国民投票だ。国会で発議して国民投票で否決されるような事態になったら、安倍政権が「1強」と言われていようと内閣総辞職は免れない。そんなに簡単に改憲手続きへと進めるわけではない。
改憲を党是とする自民党には、連立を組む公明党を含め各党への粘り強い説得・折衝が求められるし、何より国民に改憲の必要性を納得させるための懇切丁寧な説明が不可欠だ。まだまだ時間はかかるし、さまざまな困難も伴うだろう。
ただ、日本が改憲によって自前の憲法を持ち、真の独立国となるための千載一遇の機会が今回の参院選であるのは間違いない。
「本年は挑戦、挑戦、そして挑戦あるのみ。未来へと果敢に『挑戦する1年』とする」
今年1月4日の年頭記者会見でこう述べた安倍首相にとって、最大の挑戦は憲法改正であるはずだ。さらなる奮起を期待したい。
(論説委員兼政治部編集委員)