「メディアで自民大勝なんていう世論調査を含めた情勢分析が出ると、比例票が減ってしまう」
政府高官は一連の報道についてこう懸念を示すが、与党大勝の方向性はもう変わるまい。各紙は6月24日付の紙面で参院選序盤の情勢を報じた際にも、今回と同様に改憲勢力が3分の2をうかがうと書いていたが、その後も流れに変化はなかった。
今回は、事前の予測で不利とみられたところに同情票が集まる「アンダードッグ効果」は今のところ表れていない。
民進党は選挙戦で「まず、3分の2をとらせないこと。」をキャッチコピーとしてポスターやチラシで強調している。だが、自分たちの政策や主義・主張を訴えるのではなく、ただ他党の足を引っ張りたいという後ろ向きのメッセージは、有権者の胸には響いていないようだ。
国民の納得必要
もちろん、改憲勢力が衆参両院で3分の2議席を占めたからといって、ただちに憲法改正が発議されるわけではない。どこをどう変えるか憲法審査会が議論を始めるのは、あくまでこれからの話である。