【ソウル=藤本欣也】経営権をめぐり内紛が続いていたロッテグループの創業者一族から、ついに逮捕者が出た。「韓国流通業界のゴッドマザー」とも呼ばれた辛英子容疑者の逮捕に踏み切った韓国検察の狙いは何か。さまざまな臆測を呼んでいる。
英子容疑者は6日、逮捕状発付の可否に関する裁判所の審査で、自らを逮捕しないよう号泣しながら訴えたという。逮捕される際にも「私がなぜ逮捕されなければならないのか」と強く抗議したとされる。
報道によると、韓国ロッテグループは英子容疑者の逮捕について、「個人の問題であり、グループとは関係がない」との立場だ。検察側も、グループ本体の裏金疑惑とは別件扱いで捜査してきた。
しかし、英子容疑者は(1)創業者、重光武雄氏から寵愛され、武雄氏の心を動かせる唯一の人物といわれる(2)グループの中心企業の経営に関与してきた-などの理由から検察は今後、グループの組織的な裏金づくりについても英子容疑者を取り調べる見通しだ。