【ソウル=藤本欣也】ロッテホールディングス(HD)の臨時株主総会で前副会長、重光宏之氏の提案が否決されたことについて、韓国の聯合ニュースは6日、「ロッテに対する昭夫氏の掌握力がさらに強固になる」との見通しを伝えた。
韓国ロッテグループは同日、総会の結果を歓迎し、「経営権をめぐる紛争は事実上終わった」などとコメント、宏之氏に「ロッテの企業価値を壊す行為」を中断するよう求めた。
昭夫氏は昨年8月の株主総会で経営基盤を固めた後、韓国の国会政務委員会に出席して韓国語で質疑に答え、「(ロッテグループは)韓国企業だ」などと強調、韓国世論の一定の支持を得たとみられている。
ソウル家裁では現在、創業者、重光武雄氏の妹が「兄は正常な意思決定が難しい状況だ」として昨年末、成年後見人の選任を申請したことを受け、その審理が進められている。
武雄氏は2月初めに出廷し、自らの判断能力について「50代の時と変わらない」と主張したが、3月中に韓国で入院し検査を受ける見通しだ。
韓国有力紙、朝鮮日報は社説「父親に精神鑑定を受けさせるまでに至ったロッテ家の泥沼の争い」を掲げ、尊敬されるべき創業者が法廷に引っ張り出されたことを嘆き、「自分たちの醜悪な争いが(韓国)国民の目にどう映っているのか全く意識していないようだ」として、兄弟の争いを痛烈に批判している。