□ロッテ「スイーツデイズ 乳酸菌ショコラ」
■植物由来で生きたまま腸に届く
明日14日は、バレンタインデー。欧米では恋人同士で贈り物をする習慣があるが、日本では女性から男性にチョコレートを贈る独自の習慣が定着している。今回の「これは優れモノ」は、健康志向の新しいタイプのチョコレートを取材した。
◆常温でいつでも摂取
「乳酸菌関連の市場が好調だったので、お菓子と乳酸菌の組み合わせで、大きなイノベーションを起こせないかというのが商品開発の始まりでした」とロッテ新商品企画室の秋山浩平さん(32)。基本的に乳酸菌は熱や酸に弱い。試行錯誤の末、この熱に弱い乳酸菌を特別な方法で、チョコレートに配合すると乳酸菌は生きたまま腸に届くことが分かった。
チョコレートは、カカオ由来の油脂の中に、カカオ、砂糖、ミルクなどの成分が溶け込んでいると考えていい。乳酸菌を入れた場合も、この油脂に保護されていると考えられる。
人間の胃酸は、殺菌力のある強力な塩酸で構成されている。乳酸菌は一般的に胃酸に弱く、腸に届くまでに死滅してしまう。だが、胃酸は油をほとんど分解することはできず、腸がこれを行う。チョコレートの油脂に包まれると乳酸菌が守られ、生きたまま腸に届くのである。
「乳酸菌には動物性由来のものと植物性由来のものがあります。この商品に使った乳酸菌は、植物由来のもので、京都の「すぐき漬」という漬物の中から見つかったものです」(秋山さん)。一般的に動物性の乳酸菌は、栄養が豊富な環境で育っているため、ストレスに弱く、熱や酸にも弱いものが多い。反対に、漬物という養分が少なく、塩分が多い過酷な環境で育った乳酸菌は、熱や酸にも耐性が強いのだという。
乳酸菌を体に取り入れたいという消費者は非常に多いが、既存のヨーグルト系商品に不満を持つ人も少なくない。冷蔵庫に保管の上、賞味期限が短く、食べる場所なども限られるからだ。