【ソウル=藤本欣也】韓国のソウル中央地検は7日、ロッテ免税店への出店をめぐり業者から裏金を受け取った疑いなどで、ロッテグループの創業者、重光武雄(韓国名・辛格浩=シン・ギョクホ)氏(93)の長女でロッテ奨学財団理事長の辛英子(ヨンジャ)容疑者(73)を逮捕した。一連の疑惑でロッテ創業者一族が逮捕されたのは初めて。
報道によると、ロッテ免税店を総括していた英子容疑者は、化粧品会社などの業者から出店などの便宜を図るよう頼まれ、計約30億ウォン(約2億6千万円)を不正に受け取った疑いがある。また、自らが実質運営する会社の役員に娘を就任させ、給与名目で約40億ウォン(約3億5千万円)を横領した疑いももたれている。
韓国ロッテグループをめぐっては、巨額の裏金を組織的につくっていた容疑などで、韓国の検察当局が6月10日、本社や武雄氏の自宅などの家宅捜索に着手、全面捜査を進めている。
家宅捜索前から海外出張中だった、武雄氏の次男で韓国ロッテグループの重光昭夫会長(61)は今月3日、韓国に戻った。検察は昭夫会長の事情聴取に踏み切る方針とみられる。昭夫会長は兄の宏之氏(62)ともロッテグループの経営権をめぐり係争中だ。