昨年の対日声明でIMFは追加緩和を促したが、増税再延期を受けて180度転換した形だ。現在の円高についても「おおむねファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)と整合的」との見方を示し、政府による為替介入を牽(けん)制(せい)した。
このほか物価上昇に向けて、少なくとも3%の基本給引き上げを実施しない黒字企業に対し、政府が罰金を科すことを「最終手段」として検討すべきだと提言した。また中小企業の経営再建が遅れていることについて、「銀行は(貸し出しの際)固定資産の担保に大きく依存し、リスクを十分取っていない」として、融資を強化するよう促した。
31年10月まで再延期された消費税増税については、「年率0.5~1%の幅で段階的に15%まで引き上げる計画に置き換えることで、(駆け込み需要など)増税前後の大きな支出シフトを回避できる」とした。