国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は14日の記者会見で、外国為替相場の円高に関連し「市場の変動が非常に激しい場合に限って為替介入は正当化される」と述べた。その上で「日本の金融市場を非常に注意深く見ている」と語った。
最近の円高ドル安について、麻生太郎財務相は「一方向に偏った動きが見られる」とし、介入をにおわす発言をしている。ラガルド氏は、日本政府による介入が現時点で正当化されるかどうかは言及しなかった。
ラガルド氏は、世界経済の減速に対応するため、財政に余力のある国は景気対策を打ち出すよう呼び掛ける報告書も発表した。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の開催に伴い、各国に対応を促した形だ。
報告書は「世界経済の回復は続いているが弱まっている」と指摘。「金融市場の変動性とリスク回避志向は高まっている」と危機感をあらためて強調した。その上で「余力がある国の財政出動はその国と世界経済にとって利益になる」と主張。債権国に出動を呼び掛けており、日本に対しても暗に景気対策を求める内容になっている。
日本のマイナス金利導入を含む先進国の金融政策は「適切に調整されている」と評価した。ただ、金融政策だけでは不十分だとして、財政出動を求めた。(ワシントン 共同)