内閣府が18日発表した2016年1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、中国をはじめとした新興国経済の低迷と円高進行などの逆風で、景気が停滞している実態を浮き彫りにした。この状況は長期化する可能性もあり、企業は先行きへの警戒感を強めている。
「中国経済のスローダウンなど、世界経済は大きなターニングポイントを迎えている。問題はこれがしばらく続くことだ」。みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は景気の現状をこう分析する。
企業にとって大きな懸念材料は新興国経済の低迷だ。コマツの大橋徹二社長は「今年度の中国の建機・鉱山機械の需要見通しは20~25%減とみている。2兆元の財政出動の話もあるが、現場の話を聞くとまだまだ動きがない」と話す。
住友重機械工業の鈴木英夫常務執行役員も「アジアのIT分野向けの射出成形機の需要減が続く」と予測。ともに景気の先行指標とされる分野だけに先行きの見通しは厳しい。