これにより、経営体力の弱い地銀は打撃になりかねない。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が15日まとめた試算によれば、地銀の本業のもうけを示す業務純益は、マイナス金利によって2016年度に15%減ると推計した。大手行でも8%減るが、その2倍もの規模だ。信州大の真壁昭夫教授は「拷問のようなものだ」と指摘する。
運用難による収益悪化を避けようと、各行は定期預金の金利を引き下げるなど、預金を増やさない対応に相次ぎ乗り出し始めた。
一方、熊本第一信用金庫(熊本市)は、顧客の不安を取り除こうと、通常より金利を引き上げた新たな個人向け定期預金の取り扱いを10日開始。熊本県内では九州フィナンシャルグループ傘下の肥後銀行(同市)が10年満期の定期預金の金利を引き下げたが、規模の小さい熊本第一信金は、むしろ顧客の安心感を優先させた。