戸籍なきブラックチルドレン1300万人の苦悩 「一人っ子政策」の深い闇 (1/3ページ)

2015.11.25 11:45

豊かとはいえない農村が広がる崇明島の地元食堂で働く敏敏さん(仮名)=20日

豊かとはいえない農村が広がる崇明島の地元食堂で働く敏敏さん(仮名)=20日【拡大】

 「中学校に上がるとき通学を断られ、初めて両親が本当の親ではなく自分には戸籍さえないと知らされ、家でふさぎ込んでいた」

 行政管轄上は上海市の一部ながら、豊かとはいえない農村が広がる崇明島。とある食堂で最近、働き始めたという敏敏さん(16)=仮名=はこう言って言葉を詰まらせた。中国で「黒孩子(ブラックチルドレン)」と呼ばれる戸籍のない子供の一人だ。

 敏敏さんは生後数カ月のころ、崇明島の市場でカゴに入れられて泣いていたところを、近くで商店を営む夫婦に救われたという。

 ふびんに思った夫婦は養女として育て始めたが、地元政府は出生証明すらない敏敏さんの戸籍申請を頑として拒み続けた。人口抑制を目的とした「一人っ子政策」での「成果」を競っていた地方政府にとっては、存在すら隠しておきたい“お荷物”だった。

身分証がないため病院で診察を受けることができなかった

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