日米欧に中国やインドなどの新興国を加えた20カ国・地域(G20)首脳会合が15日、2日間の日程でトルコのアンタルヤで開幕した。パリ同時多発テロを受けて、テロ封じ込めの対応策や世界経済の安定に向けた各国の連携などを話し合う。米利上げを前にした金融市場の動揺の緩和もテーマになる。フランスのオランド大統領は首脳会合への欠席を決めた。日本からは安倍晋三首相と麻生太郎財務相が出席、各国がフランスへの支援で一致する方向だ。(アンタルヤ 今井裕治)
渡航自粛相次ぐ
今年2月にトルコのイスタンブールで開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議では、テロを資金面で抑え込むため、資金遮断へ結束するとの共同声明を採択した。資金取引の透明性を高めるための指針策定を各国に促しており、規制強化に足並みをそろえられるか注目される。首脳会合に先立ち、トルコのエルドアン大統領は14日、国際社会はテロ対策を「最前線に位置付けるべきだ」と述べた。
米国はテロ組織に資金提供する個人や組織を特定し、取引銀行のドル決済を停止させるなど規制強化に積極的だ。米国がG20首脳会合で、国内の過激派への刺激を避けるために対策強化に慎重なサウジアラビアやトルコに規制強化を働き掛ける展開も予想される。