脱原発の姿勢を強め、今年2月には欧州の非政府組織(NGO)の招きでパリで講演した。原発事故を振り返り、「原発は安全を管理しながら活用すべきとの考えを180度変えた」と強調。その上で「最も安全なのは原発を持たないことだ」「(福島原発は)コントロール下にあるという安倍首相は明らかに間違っている」「原発は(広島や長崎の)原爆と同じように多くの人に被害をもたらす」「21世紀は太陽エネルギーの時代になると確信している」-などと政権批判を交えて持論を展開した。
26年7月の参院選で党の公認を得られなかった候補者を応援したとして、所属する民主党から党員資格停止処分を受け、党内でも“孤立”を深めていた菅氏。そんな逆風にも動じず、脱原発を旗印に、自身の政治活動の原点ともいえる「市民活動家」に復帰したといえる。
昨年5月、福井地裁が関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を認めない判決を言い渡した際には、法廷の傍聴席でガッツポーズ。短文投稿サイトで「勝った、勝った、勝った」と喜びをあらわにした。