「宇宙太陽光発電」日本の勝算は? NASAも撤退、試される技術立国の実力 (2/4ページ)

2015.4.3 06:35

宇宙太陽光発電システムのイメージ図(JAXA提供)

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 研究は1968年に米国のピーター・グレーザー博士の提案から始まり、日本のほかロシアや中国なども研究に乗りだし、実用化の先陣争いは過熱した。もっとも、米航空宇宙局(NASA)を中心に取り組んでいた米国はレーガン政権時代に財政難を理由に計画を縮小。既にプロジェクトは中止され、研究開発も下火になっている。

 一方、日本では通商産業省(現経済産業省)が2000年ごろにシステム開発の構想を立ち上げたことをきっかけに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や企業が研究開発にあたってきた。三菱重工のほかIHIなども取り組んでおり、そうした企業に国の予算を充てるなど政府も支援を惜しまない。

 SSPSの建設は、地上から部品を積んだロケットを何度も打ち上げ、低軌道(地上約500キロ)上で組み立てた後、軌道間輸送機で地上3万6000キロの静止軌道まで徐々に移動させる方式が想定されている。

 07年度時点での政府の試算によると、原子力発電所1基分に相当する100万キロワットの発電能力を持つSSPSを30年ごろを目標に設置する場合、コストはざっと約1兆3000億円。それも「将来の技術革新を考慮に入れ、かなり安く見積もった金額」(経産省宇宙産業室)といい、現実的には30年ごろでも2兆円を超えるとみられている。

「現時点の技術では実現の可能性は0%だ」と明言

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