宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日、金星探査機「あかつき」を12月7日に金星を周回する軌道に投入すると発表した。平成22年に主エンジンの不具合で投入に失敗しており、5年ぶりの再挑戦となる。燃料は限られており、これが最後のチャンスになるという。
あかつきは現在、太陽の回りを周回しており、7月に軌道を修正。今後約10カ月かけて1周半した後、金星から数百~50万キロの距離を周回する楕円(だえん)軌道に入る。壊れた主エンジンの代わりに、姿勢制御用の小型エンジン4基を使用して軌道投入を目指す。
金星を吹き荒れる「スーパーローテーション」と呼ばれる秒速約100メートルの暴風など、大気の状態を観測するのが探査の目的。当初計画と比べて遠い軌道に投入するため、高精度な観測は部分的にしかできなくなるが、長期にわたって大気をカメラで撮影できる利点もあるという。