政府の情報収集衛星・レーダー予備機を搭載したH2Aロケット27号機が1日午前10時21分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。正常に機能すれば、稼働中のレーダー衛星が故障した場合に機能を代替し、情報収集衛星の運用維持に役立てる。
情報収集衛星は北朝鮮の軍事施設などを監視する事実上の偵察衛星。日中の晴天時に撮影する光学衛星と、夜間や曇りでも撮影できるレーダー衛星で構成する。各2基が同時に稼働し、地球上のどこでも1日1回撮影できる本格運用体制が平成25年に実現した。
今回の予備機はレーダー衛星の故障が19年以降、相次いだことを受けた措置。現行のレーダー衛星と同じ設計で、開発費は228億円、打ち上げ費用は105億円。来月下旬には性能を向上させた光学5号機を打ち上げる予定。
H2Aは21回連続の打ち上げ成功となり、成功率は96・2%に向上して信頼性をさらに高めた。