米国の衛星打ち上げ会社オービタル・サイエンシズは28日(日本時間29日)、国際宇宙ステーションに物資を運ぶ無人補給機「シグナス」(直径約3メートル、長さ約5メートル)を米バージニア州にある米航空宇宙局(NASA)のワロップス飛行施設から打ち上げたが、ロケットが直後に爆発、発射場に落下して炎上し、打ち上げは失敗した。NASAによるとけが人はなく、被害は発射場の周辺に限られる。オービタル社は「破滅的な失敗だ」として調査チームを設置し原因究明を始めた。主エンジンにトラブルがあった可能性が指摘されるが、オービタル社の責任者は記者会見で「何が起きたか分かるには1~2週間かかる」と述べた。
オバマ政権に打撃
シグナスには、千葉工業大が開発に参加した流星観測カメラ「メテオ」を含む2トン超の科学実験器材や食料が搭載されていたが全て失われた。
オービタル社は、オバマ米政権が2011年に退役したスペースシャトルに代わってステーションへの物資輸送を委託した二つの民間会社の一つ。もう一方のスペースXの宇宙船に物資を振り分けることも検討するが、民間委託による宇宙開発を推し進めたバラク・オバマ大統領(53)にとっては11月4日の中間選挙を前に大きな打撃となりそうだ。