パネルは、日本の主張の何を認め、何を認めなかったのか。
高性能ステンレス継ぎ目なし鋼管は、温度や圧力に対する耐久能力が製品価値の決め手となる。
温度374.1度、圧力22.1メガパスカルの超臨界圧を超えた蒸気で発電する超臨界圧石炭火力発電所用と、温度593度、圧力24.1メガパスカルの超々臨界圧石炭火力発電所用の2種類に大きく分けられ、さらに超々臨界圧用も上級材と下級材がある。
経産省によると、中国メーカーが生産するのは、超臨界圧用が全体の8割を占め、超々臨界圧用の下級材が2割弱で、上級材はごく微量だ。これに対し、日本が中国に輸出するのは超々臨界圧用の下級材が7~9割、上級材が1~3割で、超臨界圧用は皆無。中国市場では中国製品と日本からの輸出品がほぼすみ分けられている状況という。
パネルも「超々臨界圧用の上級材で、中国製品は市場価格が形成されるほどの取引量がないにもかかわらず、中国は日本からの輸出品の価格と単純比較した」と問題視。