新成長戦略と同時に発表された「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる骨太の方針では、2015年度までに国と地方の基礎的財政収支の赤字の対GDP比を2010年度に比べて半減させ、2020年度までに黒字化させるのが目標。もし、この目標を本気で目指すなら、増収が予想される法人税収は債務の返済に回さざるをえない。となれば、法人税減税のための新財源が必要になる。
政府は法人課税ベースの拡大を検討していると伝わっているが、結論を出すとしている年末は、消費税を10%に引き上げるかを判断する時期。年々増える社会保障費の財源の確保と財政健全化のためには、消費税率引き上げの可能性が高い。
仮に消費税増税を決定したうえに法人税の課税ベースを拡大するとなれば、“大手企業優遇”との批判を浴びることになるだろう。
最近の投資家への利益還元ブームから法人税減税が行なわれれば、一段の投資家還元が期待でき、株式市場の活況につながる喜ばしい材料だろう。だが、法人税減税の実現には、越えなければならない壁が多い。(ネットマネー/宗像正伸)