共働きは増えている
「103万円の壁」「130万円の壁」-。配偶者控除を受け、3号被保険者にとどまろうとする女性が働かなくなる障害として、こう表現されることは多い。
では女性の働きぶりは、昔から変わっていないのだろうか? 実は、共働きの世帯は、30年以上前から増え続け、専業主婦世帯は減少の一途だ。
男女共同参画白書によると、昭和55年に614万件だった共働き世帯は、平成4年に専業主婦世帯の件数を逆転。現在では、約1・7倍の1054万件(平成24年)に増えた。白書は、「背景として、女性の社会進出に対する意識変化、経済情勢の変化などがあると考えられる」と分析している。
正社員を絞り込み、年功序列から成果主義的な賃金体系にシフトする企業は拡大。将来の生活設計が立てにくくなっている中、共働きでリスク回避をせざるを得ない家庭は増えているとみられる。
職業につかず職探しもしていない「非労働力人口」は、平成25年に前年比34万人減少した。マイナスになったのは22年ぶり。男性は10万人増えていたが、女性が44万人も減ったためだ。