日本の経常収支は海外からの配当などの所得収支で巨額の貿易赤字を穴埋めしている。しかし、円安でも製造業の輸出が伸び悩む中、今後も輸入が増え続ければ、堅調な所得収支でも貿易赤字を補い切れなくなる恐れがある。
財政赤字が解消されないまま、経常赤字が定着すれば、現在は国内の資金で大部分を賄う国の借金は海外の資金に頼らざるを得なくなる。そうなれば財政再建への疑念から、国債が売られて金利が上がり、家計や企業活動に影響が及び、景気を冷やしかねない。政権の経済政策「アベノミクス」の成功のためにも双子の赤字の回避策は急務だ。