与党が大綱決定、控除見直しで「働き方改革」支援

来年度税制改正
与党税制協議会を終え、会見する自民党の宮沢洋一税調会長(右)と公明党の斉藤鉄夫税調会長=8日午後、東京・永田町の衆院第二議員会館(斎藤良雄撮影)

 自民、公明両党は8日、平成29年度税制改正大綱を決定した。安倍晋三政権の看板政策である「働き方改革」の推進に向け、パートタイムで働く妻(配偶者)がいる世帯の税負担を軽減する所得税の「配偶者控除」の年収要件を引き上げた。賃上げに応じて法人税を軽減する制度なども盛り込み、足踏みが続くアベノミクスを税制面から後押しする。国と地方で計300億円程度の減税を見込む。

 配偶者控除の見直しでは、満額38万円の控除を受けられる妻の年収要件を30年1月から150万円以下とし、現在の103万円以下から引き上げる。税収減を補うため年収に応じた所得制限を設け、夫(世帯主)の年収が1120万円を超えると控除額を段階的に減らす。自民党税制調査会の宮沢洋一会長は記者会見で「働きたい人が就業調整を意識しなくてもすむようになる」と述べた。

 配偶者控除の見直しを所得税改革の「第1弾」と位置づけ、今後数年かけて基礎控除などの現行制度を抜本的に見直し、格差是正などを図る。

 酒税はビールや日本酒が減税、逆に発泡酒や第3のビール、ワインは増税となる。ビールの税率は32年10月から下げる一方、発泡酒と第3のビールは上げ、38年10月に350ミリリットル缶当たり54・25円に一本化する。

 このほか非課税期間20年の積立型の少額投資非課税制度(NISA)を創設。エコカー減税や企業の優遇策は対象を絞り込んで重点化する。