運転操作のストレス皆無 操作系レイアウトは熟成の域
着座位置が低く、幌屋根を閉じたままだと、最初は乗り込むのに難儀するが、ドアの開口面積は前後に大きいので、慣れてくると私のようなメタボ体型でもスッと乗り込めるようになる。ただ、ソールが厚めの靴だと、右足を入れる際にドアを蹴ってしまいがちなので、薄底のドライビングシューズに履き替えるのがいいだろう。
座ってポジションを決め、フロントガラスから前方を見ると、左右のフェンダーの盛り上がりが目に入る。運転席からボンネットが見えないクルマが当たり前の昨今、もうこれだけで「特別なクルマ」感がビシビシ伝わってきて、早くもテンションが上がる。
低い車高に、変速装置とドライブシャフトを覆うセンタートンネルも高めで、絶対的な室内容積は決して大きくない。しかし、さすがに全幅170センチを超える3ナンバーサイズだけあって、横方向には多少余裕があり、我慢できないような狭さではない。そもそも悪天候でなければ屋根を開けた時の“室内”高は文字通り青天井なので、この辺は普通の乗用車と同じ基準で評価するべきではないかもしれない。
足をほぼ地面に水平に前へ投げ出す乗車姿勢もスポーツカーならではで、慣れるまではいろいろ新鮮である。シート調整幅は十分にあるが、ハンドルを前後に動かすテレスコピック機能がないのは残念。これがあれば、背もたれを寝かし気味にセットでき、ドライバーの視界にも空が少し入って、クルージング時の爽快感が増すと思う。