26日の北海道新幹線開業に伴い廃止される寝台特急「カシオペア」(上野-札幌)の下り最終列車が19日午後4時20分、上野駅を出発した。13番ホームには鉄道ファンら約2000人が集まり、野木肇雄駅長の合図の後、銀色の車両が汽笛を鳴らし、北へ向かって進み始めると「ありがとう」と次々に声が上がった。
新幹線に代わりはできない
JR東日本によると、20日午前11時15分に札幌に到着予定で、20日午後に札幌を出る折り返しの上りがラストランとなる。北斗星(上野-札幌)やトワイライトエクスプレス(大阪-札幌)も昨年引退しており、本州と北海道を結ぶ寝台特急は、時刻表から姿を消す。
大阪市都島区の公務員、稲田明利さん(48)は、鉄道ファンの仲間10人で乗車。「朝焼けを見ながら目的地に思いをはせ、乗り合わせた人とも交流できる素晴らしい乗り物だった。新幹線に代わりはできない」と残念そう。「札幌駅で列車を見送ったら、きっと泣いてしまうだろう」と感慨深げに話した。