14日に金沢への延伸から1年になる北陸新幹線。乗客数は開業前の3倍となり、首都圏と北陸との人の流れを拡大させた。厳しい経営が予想された並行在来線も順調な滑り出しだ。「開業特需」が薄れる2年目が待ち受けるもののJR西日本は「まだ勢いは続く」と強気で、沿線地域と連携してさらなる利用者増を目指す。
延伸区間の上越妙高-糸魚川間の乗客数は、開業から2月末までで898万人と延伸前の在来線特急の3倍。2.2倍を見込んでいたJR西の真鍋精志(まなべ・せいじ)社長(62)は2月17日の記者会見で「想定以上の利用」と振り返った。
新幹線で押し寄せた人の波は沿線の観光地をにぎわせた。日本旅行によると、昨年6~12月の首都圏から北陸への旅行者数は前年同期比で4倍強となった。北陸から首都圏へも約2.3倍増。北陸に注目が集まったため、関西や東北から訪れる人も増加した。沿線の長野県でも長野駅や飯山駅の観光案内所の利用者が伸びたという。