昨年夏には中朝国境付近でキリスト教を布教しながらコーヒーショップを経営するカナダ人老夫婦を「軍事機密窃取」の容疑で拘束し、カナダとの間で外交トラブルになっている。今春には、ビジネスツアーで広東省を訪問した米国人女性企業家をもスパイ容疑で摘発した。
外国人の中で、日本人が特に狙われやすいといわれる。9月の抗日戦争勝利70周年の軍事パレードが終了したことから、習政権による日本たたきのネタが切れかかった頃、スパイ事件がはじけた。中国の官製メディアはこれらの事件を大きく報道した。国民の日本に対する反感をあおり、新たな反日の材料にしているようだ。(中国総局 矢板明夫(やいた・あきお)/SANKEI EXPRESS)