≪鎌倉からはじまった≫
「鎌倉からはじまった。」展のPART2は、1966~84年(昭和41~59年)に開かれた展覧会を振り返っている。
66年は、坂倉準三によって既存の建物の東側に新館が増築された年。ガラスのカーテンウオールが特徴で、屋内にいながら外の自然と一体化できる気持ちのよい空間だ。展覧会の幅も広がり、パウル・クレー展(66年)、エドワルド・ムンク展(70年)など海外有名作家の個展が相次ぎ企画された。特にムンク展は1カ月弱で10万人超が来場、大行列になったとか。
明治、大正期の美術を再発見・再検証する展覧会も盛んに開かれたという。美術館としての発信力を増したのがこの時期だった。今回の展覧会でも高橋由一の「江の島図」に始まり、岸田劉生の「童女図(麗子立像)」など油彩の名画が並ぶ。「こぢんまりした空間なので、比較的小さな絵画との距離感が絶妙。じっくり見ることができると思います」と主任学芸員の長門佐季さん。