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古都に息づくモダニズム建築 神奈川県立近代美術館鎌倉館 (1/5ページ)

2015.9.2 15:00

鑑賞の余韻に浸れる「喫茶室ピナコテカ」。田中岑(たかし)の壁画「女の一生」(1957年)があり、テラスからは四季折々の平家池が楽しめる=2015年8月16日、神奈川県鎌倉市(宮崎瑞穂撮影)

鑑賞の余韻に浸れる「喫茶室ピナコテカ」。田中岑(たかし)の壁画「女の一生」(1957年)があり、テラスからは四季折々の平家池が楽しめる=2015年8月16日、神奈川県鎌倉市(宮崎瑞穂撮影)【拡大】

  • 平家池のほとりに建つ神奈川県立近大美術館鎌倉館。右側は1966(昭和41)年に増築された新館。現在は耐震性の問題で公開されていない=2015年8月16日、神奈川県鎌倉市(宮崎瑞穂撮影)
  • 岸田劉生の「童女図(麗子立像)」(右から2番目)と「野童女」(中央)など、鎌倉館所蔵の名画が並ぶ展示室=2015年8月16日、神奈川県鎌倉市(宮崎瑞穂撮影)
  • イサム・ノグチの「コケシ」(1951年)のある中庭。1階の壁には大谷石が使われている=2015年8月16日、神奈川県鎌倉市(宮崎瑞穂撮影)
  • 1階テラスは憩いの空間。2階が平家池にせり出し、それを支える鉄柱がまるで石の上に載っているように見える。軽やかな演出だ=2015年8月16日、神奈川県鎌倉市(宮崎瑞穂撮影)
  • 同時代の画家、彫刻家を世に広く紹介するのも神奈川県立近代美術館鎌倉館の使命だった=2015年8月16日、神奈川県鎌倉市(宮崎瑞穂撮影)
  • 神奈川県立近代美術館鎌倉館=神奈川県鎌倉市

 【アートクルーズ】

 古都鎌倉の象徴、鶴岡八幡宮の境内にその建物はある。戦後間もない1951(昭和26)年、全国初の公立近代美術館としてオープンした「神奈川県立近代美術館鎌倉館」(鎌倉市)。建築家、坂倉準三が設計した日本のモダニズム建築の代表作だ。

 ハスに青々と覆われた平家池に、展示室のある2階部分がせり出すように建っている。それを、池に脚をつっこむような形で細い鉄の列柱群が支え、1階はピロティになっている。建物は中庭を囲んだロの字形。イサム・ノグチの彫刻「コケシ」が、その中庭で優しく来館者を迎え入れる。

 「鎌近(かまきん)」などと略称で呼ばれる神奈川県立近代美術館鎌倉館は、八幡宮との借地契約満了に伴い来年1月末には展示活動を終え、3月末に閉館する。建物は残るのか、残すとしてもどう使うかはまだ「八幡宮と協議中」(神奈川県教育局)という。国史跡・鶴岡八幡宮内にある美術館だけに厳しい制約があり、耐震工事の改修もままならないなど、八方塞がりの状況が続いていた。いずれにしても、「鎌近」で美術鑑賞できるのはあと5カ月。

軽やかに開かれた鑑賞空間

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