中国人民銀行(中央銀行)は12日朝、人民元取引の基準値を1ドル=6.3306元と、11日の基準値より1.6%元安に設定した。前日にも基準値を1.8%安く設定。取引開始後も元が売られ、元相場は12日、米ドルに対して一時、4年ぶりの安値水準となった。
2日連続の切り下げという異例の措置に踏み切ったことで中国経済の先行き懸念が高まり、世界経済の不安材料となった。東京株は12日、日経平均株価(225種)が一時、400円超下落し、2週間ぶりの安値水準となった。
12日の上海外国為替市場の元相場は売り注文が優勢となり一時、1ドル=6.4510元をつけ、2011年8月以来の安値となった。元の1日の変動幅は基準値から上下2%の範囲内に制限されているが、その下限近くまで下げた形だ。12日の終値は6.3870元だった。
市場関係者の間では「中国当局の意向で、しばらくは元安が続くとの観測から元売りが続いている」との見方が出ている。年内にも予想される米国の利上げや中国の景気先行きに対する懸念もあり、ドル買い元売りの圧力は当面続きそうだ。