しかし、公明党はさらに格差2倍以内という高いハードルも突きつけている。6増6減に加え、自民党が検討してきた2合区を加えた案でも2倍以内には及ばない。自民党の伊達忠一参院幹事長は26日の記者会見で「2倍以内は困難」との認識を示しながらも、「(公明党とは)与党案をまとめることで合意している」と自身を見せた。が、党内の慎重派を抑え、公明党から譲歩を引き出せるかはわからない。
自民党が責任与党として改革案を取りまとめられず、現行制度のまま来夏の参院選に突入すれば、無責任のそしりは免れないだろう。野党が最高裁判決を無視した与党の横暴などと批判して、参院選の争点となれば大きな逆風となりかねない。
その後の一票の格差訴訟で、最高裁が「違憲」あるいは「無効」と判断すれば、国会審議にも大きな影響を与えるのは必至だ。悲願の憲法改正に向け、参院でも与党で3分の2を確保したい安倍晋三首相だが、足下をすくわれかねない。(小島優/SANKEI EXPRESS)