岡山県総社市は、医療機関に1年間かからなかった国民健康保険の加入世帯に、現金1万円を支給。宮崎県高鍋町では地元の信用金庫と提携し、特定健診を受けた人に定期預金の金利を上乗せするサービスを始めた。
会社を挙げて取り組むのはローソン(東京)。定期健診を受けない社員は、本人に加え上司も賞与が減額される。
重症化に警鐘
厚労省の担当者は「生活改善を意識する人が増えれば、医療機関通いを減らすことができ、不要な医療費支出を避けられる」と話す。
だが、山形大大学院の村上正泰教授(医療政策学)は「インセンティブによる医療費抑制効果は実証されていない」と指摘。「現金目当てで必要な受診をせずに重症化して、かえって医療費がかかる事態も起きかねない」と警鐘を鳴らす。
日本医師会は「健康寿命の延伸は大事だが、予防の取り組みで保険料に過度の差を設けるのは望ましくない」としている。(SANKEI EXPRESS)