一連の政策は、国民に「自助努力」を求める安倍政権の姿勢と無縁ではない。4月16日の経済財政諮問会議では、民間議員が歳出効率化策として「個人の健康努力を支援し、医療・介護の必要を抑制。経済成長との二兎を得る」と主張。甘利明経済再生担当相も「インセンティブ改革を国民運動に」と前のめりだ。
塩崎恭久厚労相は4月18日、糖尿病の重症化予防に熱心な広島県呉市を視察。協会けんぽ広島支部などの関係者を前に、関連法の意義を強調した。
禁煙でポイント付与
先行事例は各地にある。花王健保組合(東京)は07年、禁煙などの目標の達成度に応じて個人にポイント(マイル)を配る「健康マイレージプログラム」を始めた。マイルがたまれば健康器具などと交換できる。全員が参加した職場では、メタボリック症候群や予備軍と判定された人が35%から5年で27%に減った。
静岡県三島市は、市民がトレーニング施設で汗を流したり町歩きしたりする回数に応じてポイントを付与。一定数に達すると懸賞に応募でき、当選すれば地元の野菜や施設の利用券が手に入る。