14日の北陸新幹線開業まで1週間を切った。東京-金沢間を現在より1時間半程度短い最速2時間28分で結び、人の流れは一変しそうだ。一方で競合する航空会社は利用者の流出を食い止めるため、大幅な値下げに打って出た。これに高速バスも加わり、早くも三つどもえによる“旅客争奪戦”が展開されている。
北陸新幹線はJR東日本とJR西日本が共同運行。列車は途中停車駅が3~4駅のみの「かがやき」(1日10往復)、多くの駅に止まる「はくたか」(14往復)、金沢-富山間をシャトル運行する「つるぎ」(18往復)などがある。
料金は東京-金沢間が普通車指定席で1万4120円(乗車券と特急券の合計)、東京-富山間が1万2730円。JR東、JR西ともネットで事前予約すれば10%程度の割引がある。駅が街に直結し、座席が広いなどの点では新幹線に分があるため、JR東は現行で「航空機6-鉄道4」となっている東京-金沢間の輸送シェアが「新幹線8-航空機2」に逆転するとそろばんをはじく。
一方の航空は北陸へ向かう路線の大幅割引で対抗。全日本空輸、日本航空とも羽田-小松(石川県)間で搭乗前日までに予約した場合の最安運賃を現行の2割引きの1万2900円にする。空港から金沢市内へのバス料金を入れても、新幹線の正規料金をわずかに下回る料金設定だ。また、75日前までに予約すれば最安9100~9200円と破格で、早めの予約が可能なら航空機のお得感は強い。