「ロシアは、自分たちの好きなようにやるのでしょう。でも私たちには私たちの道があります」。前出の女子学生は、そうも語ってくれた。
冒頭で紹介したとおり、グルジアはワインの名産地だ。実はグルジアはワイン発祥の地といわれ、その歴史は8000年に及ぶ。かのクレオパトラもエジプトに渡ったグルジアワインをこよなく愛し、グルジアワインには「クレオパトラの涙」という別名があるほどだ。カフカス山脈に囲まれ、寒暖の激しい気候はブドウの生産に極めて適しており、グルジアに住む人々の歴史がそのまま、ワイン生産の歴史だといえる。
ロシアとの関係が悪化した際、ロシアが真っ先に輸入を停止したのもワインだった。空港で差し出されたおみやげのワインは、まさにグルジアの「歴史」と「友好の証」そのもの。いつかEUに加盟をしたならば、欧州中の人々にこのワインがさらに飲まれ、愛されるに違いない。(黒川信雄、写真も/SANKEI EXPRESS)