【Viva!ヨーロッパ】
マナーハウス(荘園邸宅)と呼ばれる中世の貴族の館を改装した宿泊施設が、英国で静かな人気を集めている。階級社会の人間模様を描いた英テレビドラマ「ダウントン・アビー」の大ヒットが、その背景にあるともいわれている。百聞は一見にしかず。冬休みにロンドン南郊のサセックスにある話題の宿泊施設2カ所を訪ねてみた。
衝撃的なおいしさ
ヒツジが草をはむ牧草地や森林の細い小道を車で行くと、最初の目的地「グレイブタイ・マナー」の門に到着した。門は自動的に開き、中に入ると突然、目の前に、古めかしい石造りのお屋敷が現れた。
所々、苔むした灰色の建物は朽ち果てそうな外観だ。夕暮れ時に到着したこともあって幽霊屋敷が頭に浮かんだが、玄関から出てきた若いベルボーイの案内で建物に入ると、雰囲気は一変した。