【奥多摩だより】
奥多摩から流れ来た秋川が、武蔵五日市の市街に近づく。沢戸橋の下をくぐり大きく左に曲がるところに、さほど広くはないが河原がある。ここまでは山中の川だから、河原はそんなに広がっていない。やっと平地を流れる川となって、子供たちが遊べるスペースができたのだ。
その河原で、例年どんど焼きがおこなわれている。今もあきる野市ではその小正月の伝統行事が盛んで、いくつかの集落で見られる。朝のJR五日市線の車窓には、煙が何本か立ち上り、目当ての集落のそれには、まだ時間があるかと祈りながら急ぐのだ。沢戸橋では、今年は1月12日に地元の人たちによって、2基のどんどに点火された。
ここのどんどは以前も見ている。毎年同じ撮影位置では工夫がないと、今年は橋の上から撮影してみた。このような撮影で、気をつけることは風向きだ。それは火災現場の取材も同じで、風上から撮るのがセオリー。風下に入れば煙に囲まれて、何も撮れないこともある。その朝は北からの風、橋の上からはそんなに悪くはない、何とかなるさと考えたのが間違いだった。