11月も下旬となれば、奥多摩の紅葉は盛りになっていた。山の高いところはともかくとして、小生が行くあたりの紅葉の時期は、都心とそんなに変わらない。最近は秋川の支流、養沢(ようざわ)川に沿って歩くことが多い。比較的近場の奥多摩ということもあるが、水平移動で歩けるのが大きな理由だ。どうも最近は体力的な問題で、垂直移動が辛い。簡単に言えば足腰がおもわしくないのだ。原因は撮影機材の重さにありそうだが、もっと簡単に言えば、もう年だ! 年配の人たちがさっさと坂道を歩いているのだから、恥ずかしくて言えたものではないが。
かくて、JR青梅線の武蔵五日市から上養沢行きのバスで檜原街道を西へ、途中から北に向かう。このルートは小さなバスで運行されている。道幅が狭く、曲がりくねっているため大型バスは通れないのだ。養沢あたりが近いと言っても、サルに出合うことも時々で、あるときは数日前にクマが出たのでと注意を呼びかけられた。
それにしても養沢川は水がきれいだ。自然のままの流れで澄み切っている。ヤマメなどの魚が泳いで、セキレイやカワガラスが飛んでくる。秋が過ぎるころになると、木の葉がどんどん流れてくる。それは岩場でせき止められ、「山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ紅葉なりけり」だ。