自民「重圧感じる」
安倍首相が「愛知県で一番厳しい選挙区になる」とみるのが、名古屋市東南部の愛知3区だ。ベッドタウンが広がる同区は、当選6回の民主党ベテラン、近藤昭一元環境副大臣の「金城湯池」だった。前回は、ここに名古屋青年会議所理事長、日本青年会議所会頭(JC)を歴任した池田佳隆氏が自民党新人として挑み、約3700票差で辛勝した。3区で自民党が勝ったのは初めてだった。
JCといえば麻生太郎副総理兼財務相の牙城だが、池田氏は「安倍のまな弟子」を自任する。06年7月、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際、たまたま面会した首相(当時官房長官)に「日本は大丈夫ですよね」と聞くと首相はこう言った。「安心してください。日本は私たちが必ず守ります」
この言葉に感動し、政治家を志した池田氏だが、今回その表情は厳しい。
「『民主はノー』という風が吹いた前回に比べて今回は厳しい。経験したことのない重圧を感じている」
池田氏の選挙戦は極めてオーソドックスだ。当選以来、毎週末地元に帰り、さまざまな行事に顔を出すとともに企業・団体回りを続けてきた。今回は「アベノミクスを止めたらおしまいです。民主党には対案さえない」と訴え続ける。
それでも「近藤ブランド」は強く、その支持者層を崩すのは容易ではない。