安倍晋三首相(61)は18日の経済財政諮問会議で、景気の落ち込みに対処する経済対策の策定とその裏付けとなる2014年度補正予算案の編成を指示した。4月の消費税率引き上げ後、回復が遅れている家計の負担軽減策や円安に伴う燃料費高騰への対策などが柱。景気の腰折れを防ぎ、デフレ脱却を加速させる狙いだ。
首相は会議で「経済の好循環を確かなものとし、地方にアベノミクスの成果が広く行き渡るようにしなければならない」と述べた。補正予算案の規模は2兆~3兆円を想定。ただ、政府・与党からは景気の早期回復を求めて歳出圧力が強まっており、総額はさらに膨らむ可能性がある。来月の衆院選投開票後に補正予算案の詳細を決定し、来年1月の通常国会に提出する。
経済対策では、円安による燃料費の高騰に対応し、寒冷地や漁業者などへの補助金を拡充。自動料金収受システム(ETC)を使うトラックを対象に、今年度末で終了予定だった高速道路料金を最大5割引きする制度を来年度も延長する。
4月の増税後の反動減が続いている住宅需要のてこ入れのため、省エネ性能の高い住宅を新築・改修した人に、商品と交換可能なポイントを付与する「住宅エコポイント」を再開する方向だ。物価上昇で実質賃金が減少している家計に配慮し、年収が一定以下の所得者向けに給付金や商品券の配布を検討する。